しかし六花はそれを無視して近付いていく。


さっきまでの緊張がなかったかのように堂々としている。


今の状況だと六花と天の心が入れ替わってしまったようだ。


六花は天と一メートルの間を開けて立ち止まった。


「天、聞いてほしい」


「な、なんだ」


「俺はずっと仲間が欲しかった。


でもそれに相応しいと思えるやつがいなかった。

そのことを突き付けられて俺はあの日、天が言った通り雨に濡れに来ていた」


六花は真剣に話す。
動揺していた天も落ち着きを取り戻す。


「最初は馬鹿なやつかと思った」


「おい」


「まぁ聞け。


でも、短い間だったが、話す内に俺はお前に惹かれていった。


あぁ、こいつは仲間足り得るやつだってな。


そして俺は気付いた。
俺は天が好きだって」