「あ、あぁ」


「じゃ、行くぞ」


天はさっさと歩いて行ってしまう。


それを急いで六花も追ったのだった。



◇◇◇


外は曇ってはいたが、雨は降っていなかったので二人は傘を手に持ち、並んで歩く。


帰りに一緒に帰るのは始めてで、一体何を話したらいいのか六花は悩んでいた。


「なぁ六花」


と、思っていたら天から話し掛けられた。


「え? あ、なんだ?」


考え事をしていたせいで六花は反応が遅れる。


「お前が好意を寄せているやつにはいつ告白するんだ?」


「ブフッ! な、ななな何を突然!」


突拍子もない天の問いかけに思わず吹き出す。


「別に。気になったから訊いたまでだ」


「いつって言ってもなぁ…」


「明日はどうだ?」


天はさらりとそう言う。

「え? いいのか? いやしかし、こっちの心の準備が……」


「だからなんで私に了承を得ようとするんだ。

悩むより早く言った方がいいじゃないか。

悩むくらいなら即断即決!」


「じ、じゃあ、明日の昼休み屋上に来るよな?」

六花はバクバクとなる心臓を感じながら問い掛ける。


「それは行くが、それは関係なくないか?」