天と出会ってから一週間が過ぎた。
今日の天気は相変わらず雨だったが、大降りというわけではなく霧雨が降っていた。
「なぁ、天。ちょっと相談に乗ってくれないか」
「相談?」
六花は階段に腰掛け、どっかの長官が机の上でよくやっているようなポーズを取りながらそう呟いた。
天は六花から相談という単語が出たことに珍しいと思っていた。
「あぁ、天に聞いてほしいんだ」
「ふーん。まぁ、聞いてやろう」
天は興味を持ってくれたのか、階段に腰掛け話を聞く体勢になった。
「ゴホン、んじゃ……俺さ、好きなやつができたんだよね」
少し照れながら六花はそう言った。
「ほーう。良かったじゃないか」
「……。まぁそいつはけっこう態度がデカイ奴なんだけど、面白くって最近はいつも一緒に居るんだよな」
「私以外に一緒に居れる奴ができたのか」
「……。まぁ、そいつは頭が良くって、運動も出来て完璧な奴なんだけどさ。
俺の気持ちには気付いてないわけですよ」
「それはヒドイな」
「……。まぁ、それは仕方ないんだよ。
そいつ恋愛系は疎いみたいだし」