天との衝撃的な出会いの次の日、その日もまた雨だった。



昨日よりも強い雨が屋上の地面を叩いている。



手を差し出せば雨を痛いと感じる程だった。



「今日は雨に濡れないのか?」



「兄貴に言われただろ」


「あぁ~、あの天に突進してきたあの人か……」



六花は昨日の出来事をどこか遠い表情で思い出していた。




△▼△


昨日、握手を交わしたあの後、余りにも濡れていた天はくしゃみをした。



これでは風邪を引いてしまうと、保健室に天を連行しようとした。


そのとき、天が二度目のくしゃみをすると、その人物は現れた。



「そのくしゃみは天か!?」



「げっ!!」



今まで不遜な態度を取っていた天が始めて慌てだした。



「や、やばい。アレが来るぞ! おい六花どうにかしろ!」



「いや、誰が来るんだよ」



「私の兄――」



「そーーらーー!!」



階段を二段飛ばしてやって来たのは黒髪に青メッシュをいれたツンツン頭の男子生徒だった。