勢いよく教室を飛び出したものの、もうすでにサッカー部の練習は終わっていて、ハルの姿が見当たらない。
ちゃんと、ハルに気持ちを伝えたいのに…。
ちゃんと、ハルに、“好き”の一言を伝えたいのに…。
伝えたい、そう思ったときに、ハルを見つけられないのは、今までの私の行いに対する、神様からの罰、なのでしょうか…。
『……ハル…』
ハルの名前を呼んだ瞬間、私の脳裏に、“倉庫”という場所が思い浮かんだ。
私とハルがあの関係を初めた場所。
いや、私が強引にハルを引きこんでしまった、あの場所…
私は急いで、倉庫に向かってダッシュした。
どうか、どうか、ハルが倉庫にいますようにてー…!!
倉庫まで走ってきた私。
だいぶ息も切れきれで、肩で呼吸する。
『……ハル…………』
でも、目に映った、その人物が、私の呼吸を一瞬にして止めた。
いた……
ハルがいた……
私の言葉に、ハルはユックリと振り返る。
『……夏美?』
ハルの目に私が映ると、ハルはそう私の名前を呼んだ。
私はそのハルの声に誘われて、一歩一歩、ハルの元へと歩み寄っていく。