あの日から二週間。




親友も好きな人も、両方、私は失った。



いつもなら学校に来て、一番に冬香に会って、冬香と過ごした。


冬香と学校でバイバイして、そして部活帰りのハルの家にお邪魔して、そして必死で体で繋がった。



そんな、毎日だった。


そんな、日々だった。








『……最初から、これが目的、だったんだけどなー…』



私は教室の窓から、部活でボールを必死に追いかけているハルの姿を眺めていた。



汗だくで、泥まみれで、でもキラキラと輝いている…そんな彼が好きだった。







『……なーにが、復讐だっつーの!
 逆に……思い知らさせただけじゃん……』




放課後の教室、誰もいないことをいいことに、私は一人呟く。






『………はぁー……』



深いため息も、たった一人の教室の中ですると惨めさがあるもんだな…








『………最初から、言えば良かった……』





『是非とも、そうしてほしかった』



私の独り言に、そう返事が返ってきた。



私は思わず振り向くと、そこには下校したと思っていた冬香が立っていた。






『………冬香………』





私の声かけに、冬香はそっと私の方に近づいてきた。







『ちょっと、話があるんだけど…』



私の目の前に来て、冬香は口を開いた。





冬香が私に話……?


なじられますか。

それとも責め立てられますか。





でも、冬香の顔はそんなことをするような顔じゃなかった。