『違う。
 最初にこの関係を提案したのは、私。
 冬香、あんたの彼氏を誘惑したのは、私、なんだ…』




喜べないよ。



だって、私がハルを巻き込んだんだー…。



あの時、ハルにキスさえしなければ、そうしたら、きっと今頃はハルと冬香が笑い合っていたかもしれない。


普通のカップル、としてー…。





それを、私は身勝手な思いで行動して、それが冬香を泣かせることに繋がってしまったんだ。








『夏美…!』


ハルは私の言葉にいち早く反応してくれた。






でもね?


散々、冬香を傷つけてきたのは私。


冬香の知らないところで、ハルと会って、ハルとキスして、ハルとセックスまでしちゃった。


それが常習化して、ハルのいる生活は私の中で当たり前になってた。


たくさん、不安にさせて、たくさん、泣かせた。




だから、この責任は私が全て引き受けますー…。




それが、最後の冬香への、私に出来る最後の優しさ、だと思うから。









『冬香…。
 私の話なんて聞きたくないだろうし、疑っちゃうかもしれない…。
 でも、これだけは言っておくね?

 私がどんなにハルと裏で会っていても、そこには“愛”なんてなかったよ』








『…………え………?』








『ハルは、どんな時も冬香のこと想ってたから。
 私じゃ、冬香を越えられなかったみたい…』








親友についた、嘘。


二人のことを壊してやろう、そう思ってきたけれど。


二人に思い知らせてやるんだと、復讐と称して、こんな関係を築いてしまったけれども。






でも、それでも。



だからこそ、私の手で、二人の関係を修復させたかったー…。








『私も、ハルのことは本気じゃなかったからー…』