『…………なに、それ……。
 ハルは…夏美のことが好きなの…?』



冬香の言葉に、私の体が固まる。



そう、それもそのはず。


だって、ハルに告白されたのは、冬香と付き合う、その前の話。

それ以降は、ハルから、“好き”という言葉さえ、聞いていない。



ただ会って、キスして、セックスする関係、だったから…








『好きだよ、ずっと前からー…』



ハルは顔色一つ変えずに、そう言った。






『ずっと…って……いつから…!?』


冬香は掴んでいるハルの腕を揺らしながら、そう尋ねる。






『冬香と付き合う前から』



その言葉に冬香の顔が固まった。





『……どういうこと…?』


冬香はハルの腕を掴んだ、その手を少し緩め、ハルに問いかける。







『ずっと、夏美のことが好きだった。
 でも夏美には断られたからー…。
 けど、それでも夏美のことが好きだったから汚い手を使った…』




『…………汚い、手……?』




『冬香と付き合うこと』




『……私と?』




『冬香と夏美は友達だったから。
 冬香と付き合えば嫌でも夏美に会える。
 だから、冬香と付き合ったー…』



ハルのその言葉に、冬香はその場に座り込んだ。





『……………なに、それ…………』



冬香はそう呟きながら、項垂れていく。