『………………え………?』




ハルのその言葉に、冬香の顔から表情が消えていく。






『………ハル…何、言ってんの…?
 私が冬香を好きか、そう聞いたら、“好き”って…言ってたじゃない…?』



私は苦笑いしながら、ハルに問い詰める。




だって、“冬香のことが好きだな”、そう、言ってたじゃない…。







『そう言わなきゃ、お前を失う、そう思ったからだよ』



ハルは真っ直ぐ、真っ直ぐ、私の目を見つめながら、そう言った。






私を失う……?



ふと昨日のベッドでの会話を思い出す。




“ハルがYESで答えたら、きっともっとスリルがあって楽しいよね?
 だから、この関係はやめない”


私が、あんなことを言ったから…?


そう、ハルは言ってるの?


それがハルの本音なの?








『………ハル……』



冬香の前では、“ハル君”、そう、呼んできた。


冬香の好きな人で、冬香の彼氏で、だから名前の呼び捨てはしちゃダメかなって。


そう思って、冬香の前では遠慮していたけど。



でも、ふと出てしまったー…。