『………え…っと………』
私はどう返事を返せばいいか分からずに、ハルの顔を見つめる。
『俺たちさ、もう終わりにしよう』
ハルは怖い顔のまま、そう言った。
“俺たちさ、もう終わりにしよう”
その言葉は誰に宛てたものですか…?
いや、私か。
私と、こんな関係を切ろう、そういうこと。
『………それって』
『もう、俺、無理だわ』
私の言葉にハルは自分の言葉を重ねて。
静かに、そう言いきった。
“無理”、その一言が脳内にこだまする。
冬香は黙っていた。
ハルは私の腕を引く、その力を強めた。
『…………何、それ………』
そう、この微妙な空気の中、言葉を発したのは冬香だった。
冬香はハルの空いている方の腕を掴んで、ハルの視線を自分の方に向けた。
『ハル……その手、なに?……』
多分、私の腕を引いてる、ハルの手のことを言っているのだろう…。
私は咄嗟に、ハルのその手を振り払った。
振り払われたその手をハルは握りしめる。
『冬香、もう、終わりにしよう』
そして、ハルは静かに、静かにそう言ったんだー…。