「と、届かない…。」

私は身長が高いわけじゃなかったから一番上の「明日」の文字が消せない。

一人で背伸びをして奮闘していると後ろのドアから誰かが入ってきた。

「なにしてんの?」

「あ…いやえっと…。」

この人はあれだ。
朝入ってきたとき目立ってた人!!

てか見られたし。
恥ずかしいよもう。

「届かねぇの?」

彼はそう言って私に近づいてきて私から黒板消しをとりサッサッと消してしまった。

「その…ありがとう…。」

私がそういうと彼は私の方を見て黒板消しを私たと同時にギョッとした。

「ち、ちっさ!!」

「え?!」

「ちっさい!(笑)俺の胸くらいじゃね?!」

「う、うるさい!」

「てかお前俺の隣の席のやつじゃん。なんだっけなーえっとー。あ、佐々木!」


彼はそう言って覚えていた事を自慢げにドヤ顔をしてきた。


「俺瀬野蓮(せのれん)!!よろしくな!!」


「は、はい…。」

「んじゃ俺行くわー!あ、ひとつ言っとく!黒板さー椅子使えば届くんじゃねー!(笑)んじゃねー!」

「………。」

彼は嵐のようにさっていった。

恥ずかしい。そうだ椅子使えば良かったんじゃん。

恥ずかしすぎて顔が熱い…。

私は少し呆然としながら帰った。