桜が満開に咲く4月。

初めての高校生活に不安と期待が心を泳がせる。

「えーっと、湘南高校はこの先の道を真っ直ぐ?それとも曲がる?」

川岸 日向 16歳‼︎
制服の可愛さとそこそこの偏差値で
湘南高校を受験して見事合格‼︎

そして今日は入学式‼︎
のはずなんだけど…
道に迷ったぁー泣

「えー、どうしよぉ。」

ばりばり迷ってしまった私。
ほんと情けないなぁ。
同じ制服の人全然いないし。

その時だった
「あれ、君 湘南高校の1年生?」

いきなり声をかけてきたのは
同じ柄の制服でスクバを片手に背負った 元気系な男子だった。

「え?は、はい!」

「そっか!俺も湘南高校に入学する1年生なんだ!えーっと…」

「川岸 日向…です…」

「え、俺 川岸 悠斗…」

そして2人で顔を見合わせて吹き出した。

「あははっ!同じ苗字なんて偶然!」

「じゃあ俺、川岸じゃなくて日向って呼ぶよ。」

呼ばれ慣れない名前呼びに少し驚いた

でも、なぜか胸がくすぐったくて嬉しかったんだ。

「でさ、日向こんなとこで何してるの?」

「あ、私、方向音痴で道に迷っちゃったの。」

「そっか、じゃあ一緒にいくか!」