「ほらほら早く〜!」


携帯を奪われそうになった瞬間だった。


「お姉さん、可愛いねえ、お話しようよ♬」


どこかで聞いたことのある声がアケミに話しかけた。


「ええ〜、今取り込んでるんだけど〜…。


 まあいいよ♬ メアド交換しよ〜♬」


今だ!と思って繁華街を駆け抜けた。


遅い足で。


繁華街を抜ける頃にはアケミと黒髪少女はすっかり見えなくなっていた。