それから、そこに座って、彼女と色々な話をした。


毎日がつまらないとか、今まで楽しいと思ったこともないとか


そう言うと、彼女が小さくうつむいた



「わたしね、実はつい今さっきまで、死のうとしてたの。こんなつまらない世界から抜け出したくて」



……驚きはしなかった。なんとなく、そうかなって思っていたから。



「だけど、あなたが来たら、そんな気持ち吹っ飛んじゃった。あなたが来る三秒前までは死にたいって思ってたのに、おかしいね」



小さく笑う姿は、頼りなくて、何よりも繊細だ。

だから、そっとそっと、壊れないように、壊れてしまわないように、そっと、透き通るように白い手に触れた。



「おかしくないよ、それってたぶん、普通のことじゃないかな」