小さな頃からそうだった。
どんなに勉強ができて褒められても、
運動ができて頭を撫でられても、
欲しいものすべてを与えられても、
つまらなかった。
元々の冷めた性格も関係してか、これまでに、楽しいと思ったことも、わくわくしたことも、片手で数えるほど
「なあ、今日一緒に行くだろ? ゲーセン」
常々そんなことを思っているおれでも、友達はいる。
毎日毎日、色んなやつから声をかけられる。
面倒に思いながら、それに適当にうなずくのがおれ。
それが、この、狭い世界でのおれの生活。
これが、おれの、日常。
だから、
ふと覗きこんだ窓から見えた屋上に、彼女がいたときは、本当に驚いた。
そして、きっと人生で一番ワクワクした。