「加恋、おはよう!」

「おはよう」

着替えも終わり、1階へ下りるとお父さんが既に朝ごはんを食べていた。

「いただきます…」

お母さんは私が生まれてすぐに離婚したからここにはいない。

2人のために用意されたとても大きなテーブルの上に並べられたたくさんの食べ物。

朝からこんなに食べられないと思っていたら…


「そいえば…」


と、お父さんが口を開いた。


「なに?」

「明日は加恋の17歳の誕生日だよな?何が欲しい?」

「うん…」

そいえばそうだったな…

特に欲しいものもないな…


「なんだろう。」

「お嬢様、そろそろ出かける時間です。」

申し訳無さそうに話しかけてきたのは、さっきとは違うお手伝いさんの岡田。

男の人だけど、小さい頃からずっとお世話になってる。

「あっ、すぐ行く。じゃあお父さん、行ってくるね。」

「あ…うん。気をつけて行くんだぞ加恋!」


そして私はお父さんのいる部屋を後にした。