っていうか、改めて話すようなことだっけ？
存分に期待を込めた視線を送ってくる彼女に怯んで、妙に恥ずかしくなって上手く喋れそうもない。
「ほらあーちん、早く！」
「……ああもう！」
話して何も解決しなかったら川端さんシメる。
「……遊園地で」
「うんうん？」
「……手、握られた」
「へえ！ それでそれで！」
「……」
「もしかしてチューされたりぎゅーってされたりペランってされたりしたの!?」
「ペランって何!? あるわけないだろ死ね！」
興奮気味に身を乗り出してきた川端さんの頭を思わず全力で叩いてしまった。
ゴンってすごい音した。ゴメン川端さん。でも反省も後悔もしてない。
「ひどいよおあーちん、……ていうかそれだけでイズミールのこと避けてたのぉ？」
「それだけっていうか……、いい加減決着つけようと思って。そろそろ諦めてくれたらいいなと思って！」
「じゃあその割に最近不機嫌そうなのはなんで？ 実際諦められたらなんか寂しくなっちゃっ痛い痛い痛い痛い」
「あ、ごめんつい」
無意識に彼女の柔らかい頬を横に引っ張っていたことに気付いて、そっと離した。だってなんかちょっとムカついたから。うっかりだ。
