「あ、あーちんは、ずるい」


「何が」


「イズミールのことも曖昧に手玉にとってるのに、その上翔ちゃんのことまで弄ぶなんてひどいよ……っ!」


「は?」




何誤解してんの? 


……いや、他人から見た私なんて所詮そんなものか。川端さんの評価はきっと間違っていない。



早川のことを私が誘惑して洗脳してるとか、ずっと前から言われてたし。


傍から見れば私って相当ウザいんだろう。私から見れば外野の方が相当ウザいけど。



……だからって、川端さんにはそんな風に言われたくない。



彼女を睨みつければ、びくっと肩を縮こまらせた川端さんは、ビビっているのか私から顔をそらした。


すごく距離を感じて、なんだか喉の奥が熱い。




「……そういう風に思ってた?」


「あ、……あーちん……?」


「別にいいよ。でもウザい。それってただの僻みでしょ? 悔しいなら川端さんが早川のこと手玉にとって翔くんのこと弄んでみれば?」


「き、きらりはそんなことしないよ……!」


「私だってそんなことしてるつもりはない」




狼狽えた様子の川端さんは、一歩下がって苦しそうに顔を歪めた。



……なんでそんな顔すんの?