人の好意を拒絶するのって体力いるから、正直もう関わりたくないなって思ってたのも事実だけど。
早川や川端さんは、拒否っても拒否っても諦めてこないから余計にだ。それは特殊な例だとは分かっちゃいるんだけど。
さすがに私も、翔くんのフラれて傷ついた顔は見たいとは思っていない。良い人だし。
……ああ、それで私、昨日逃げちゃったのかな。そうか。私翔くんとは付き合う気ないんだ。だから気まずいんだ。
翔くんのこと傷つける返事になると、自分で分かっていたから。私なんかのために、嫌な気分になってほしくなかったからか。と、妙に勝手に納得できた。
ああでも私に害を与える人間の苦痛に満ちた顔は好き。ボス猿とかボス猿とかボス猿とかの。
「……なるほど」
「……なに? あーちん、どうしたの?」
「答えが見つかってちょっとすっきりした」
「え? 早くない!? ……どどど、どうするの!?」
不安げにこちらを見てくる川端さんは、私が何も言わないままでいると、何かを悟ったように目を大きく見開き唇を噛んだ。