これまでの人生、翔くんの一番近くにいたのは川端さんだ。


モヤモヤ悩むなんて私らしくないことしてないで、直接確かめてやる。てかもう疲れたし。十分悩んだ。




「昨日翔くんに告白された」


「……へ?」




……あれ。自分で改めて口にしてみてから初めて気付いた。


そういえば翔くんは昨日、「俺を藤島の彼氏にしてくれ頼むんじゃー」みたいなこと言ってたけど、私のことが好きだとは、一言も言ってなかったよなあ。そこんとこどうなんだろう。



逃げ帰った私も悪かったけれど、人の気持ちなんて踏みにじってなんぼだしそこは許してもらおう。てへ。



きょとんとして瞬きもせずに私を見詰める川端さんは、数秒してから必要以上にぱちぱち瞬きを繰り返し、しゃきっと背筋を伸ばした。


また面白い動きしてるなー。アハハ馬鹿っぽーい。




「――な、何の告白!?」


「知らない。付き合って的なこと言われた。どう思う川端さん」


「ど、どう思うって……っ」




あわあわと視線を動かし、ない脳みそを使って真剣に考え込んでいるらしい彼女は、しばし無言になる。