「……うんもう無理かも。心労が重なってそろそろキツイ」
「どどど、どうしよう……!」
「辛い辛い辛い辛い」
「……ど、どうしよう、あーちんがきらりに弱音を吐いてくれるなんて……信頼されてる証! 不謹慎だけど嬉しい……ぐすっ……」
は? 何言ってんだコイツ。
ちらっと顔を上げれば、眉を八の字に曲げて目をうるうるさせ感動している川端さんがいた。なんで泣いてんの!?
心労の主な要因は彼女だし、完璧に嫌味のつもりで言ったのに良い方に解釈されてしまい、自然と眉根が寄る。スーパーポジティブガールめ。
だけどほんとに疲れてて、言い返す気力は尚も湧かない。勝手に勘違いしてろバーカバーカ。
「……もう川端さん一人で回ってきなよ、てか行って来い」
「ふぇ!? 駄目だよぉ、あーちんが一緒じゃなきゃ楽しくないもん!」
私はあんたが一緒でも楽しくないけどな、と心の中でだけ暴言を吐いた。
いくら友達がいないからって、どんなに一人が嫌だからって、私なんかに執着する川端さんの気が心から知れない。