「ま、どうしてもって言うなら、イズミールも仲間に入れてあげてもいいけどお」




何故か上から目線の川端さんが早川を余裕な表情で見上げた。



今からでも遅くないならば、私はどうしてもって言って頼むから別行動にさせてほしい。


彼女の言う“仲間”に自分が含まれているのだと思うとちょっくら死にたくもなるってもんだ。



ていうか勝手に決めんなよ、うるさいの二人も面倒見る余裕ないよ。疲れるよ。




「……あー、そうしたいけど俺、実行委員の仕事あんだよなあ」


「あれ、そうなんだ。あーちんはないの?」


「私は当日は仕事がない係」


「藤島は一番楽な係じゃんけんで勝ちとったもんな。一緒に係しようっつったのに遅出しの技術磨いて楽な係なったもんな。文句言った奴ら全員涙目にするまで口論……説得したもんな」


「あーちんかっこい……!」




余計なことしか言わない早川の脛を蹴りつけて、うるさい川端さんのことは無視して足早に教室を出た。



人聞きの悪いことを言うなっつーの。


運も実力のうちって言うんだから、ズルも実力のうちでしょう。