ガヤガヤと騒がしい校門前、どうやら間に合ったようだ。
「お、なんだ?有島浮気かー?」
クスクスと笑うお兄ちゃんの友達らしき人。
お兄ちゃんには彼女がいる。とても美人な彼女さん。
お兄ちゃんにはもったいないくらいの。
「ちげーよ、妹が今日からここはいるから宜しくな」
その人にお辞儀をして頭を上げると、彼は私をじっと見ていた。
「なんですか?」
そう聞くとニヤニヤして私の頭を撫でた。
「お前、こんな可愛い妹いたのな、早く言えよアホ」
「か、からかわないで下さいよっ」
すぐに相手の手を払って睨みつけると焦った様子で謝ってきた。
なんなんだこの人は、学校初日からこんなのに絡まれるなんて思ってなかった。