「おい涼凪、何ぼけーっとしてんだよ、入学式から遅刻する気か?せっかく送ってやるってゆうのに。早くしたくしろ」

ノックもせず部屋に入ってきたお兄ちゃん。
お兄ちゃんは今日から私が入る高校の3年生で、先輩。
「分かってるよ、着替えるから出てってよ変態」
「はいはい、さっさとしろよー」
お兄ちゃんが部屋を出ていくのを確認して服に手を掛ける。
クローゼットを開けると新品の制服が入っていて、高校生なんだなと嬉しくなった。
スカートからリボンまですごく可愛くて。公立なのに私立のようなデザインだ。
制服に着替えて姿見に映る自分を眺めると胸が高まった。
「あ、時間!」
階段を降りて下の階のリビングに行くとお兄ちゃんはとっくに食事を済ませていた。
「何やってたんだよ遅すぎ」
「うっさいなーっ、女の子にはいろいろあるの」