「おまっ、いきなり現れんなよ・・・。」
心臓に悪い、と言いながらよろよろと立ち上がる智明に続いて、ゆりあも立ち上がっていった。
「尾島くん、そういえば着替えてなくない?」
「あ・・・」
思わず声を漏らしてしまった私。
慌てて智明を見上げると、そこにはニヤニヤと怪しく笑う智明の顔が映った。
・・・最悪。
そう思いながら、私はゆっくりを立ち上がった。
尾島くんは尚、ニコニコと屈託のない笑みを絶やさずに言う。
「今日、見学なんだ。ちょっと気分が優れなくてね。」
いや、全然優れなさそうには見えないんですが・・・。
って!!じゃあ3組と合同でやる意味ないじゃん!そりゃあ、ゆりあはいるけど・・・本命は・・・。
「残念だったな。」
いつの間にか私の耳元に顔を近づけてそう囁く智明。
「なっ!!」
やはりばれてた。
コイツにばれたら最悪だ。とことんの仕打ちと逆襲と邪魔をされる・・・っ
「誰にも言わないでね!?てか、なにもしないでよね!!」
慌ててそう叫んだ私に、智明はニヤッと笑うと「さあな」と言いながら手を振り、ほかの男子の元へと駆けていった。
ギャーギャーと盛り上がっている智明と男子達。
今、この場で言われているかもしれないという恐怖心が、私の頭を埋め尽くした。