「ちちち、違うって言ったよね!?付き合ってませんて、言ったよね?!」

「ううん、否定はしないて。」

「しろよ!!」

だんだんと顔から血の気が引いていくのがわかる。

智明は当たり前のような顔をして、腕を頭の後ろで組んで口笛を吹いている。

隣では何が面白いのか、さっきまで真剣な顔をしていたゆりあがゲラゲラとお腹を抱えて笑っていた。


ああ、どうしよう・・・。

そうだったのか、私に彼氏が出来ないのは、モテた経歴がないのはすべてこいつの所偽だったなんて!

ショックを隠しきれずに、私はずるずると床にへたりこんだ。


「そんなにショック受けんなよ、面白すぎるだろ。」なんてことを智明が言いながらバシバシ背中を叩いてくる。


「智明はいいでしょ?!元からモテんだから!」

「な、んなことねぇよ!」

「さっきはモテるって言ってたじゃん!」

「お前はモテないくせにとか言ってただろ?!」

「だってそうじゃない!完全に僻みだったじゃない!尾島くんに!」

「俺が何?」

「「「うわあ!!」」」

私と智明とゆりあは、三人そろって叫び声をあげて後ろに飛び退いた。

いきなり現れた尾島くんは、尻餅をついている私達を不思議そうに見下ろしながら覗いてくる。