怪盗ERICAは


そのまま警察に捕まえられた。



「海鈴?

あいつになんか言われた?


なんかされた?」



「あいつ…?」


「怪盗ERICAよっ!」


「……ねぇ、あなたは誰?」



「何言ってるのよっ!お母さんよ?」



「お母さんはあの人でしょ?


あなたは…誰?」



「……あいつ…言ったのね…。


はぁ…


早く出しなさい。」


お母さんの態度は急変した。


「え?」



「だから、ペガサスのを出しなさいって、言ってるのっ!」


そう言って右頬を殴られた。


「お…かあ…さん?」


「はぁ?

何言ってるの。


違うわよ。

あいつがお母さんよ。




怪盗ERICAの言った通りだ。


抱きしめられた時。


『あなたのお母さんに本当にお母さんか、聞いてみなさい。


きっと豹変するゎ。』



と、言われた。


そんなことない。


と、思ってたのに…



「……最低…」


私はお母さん…いや、あの最低な女を突き飛ばし家を出た。




ある程度走って私は地面に座り込んだ。


その時。


ポトっ…

と、ポケットから何かが落ちた。


見ると、それは手帳のようだった。


[4月6日

海鈴が生まれた。


海斗〈かいと〉さんの海と、


私の絵鈴〈えり〉の鈴をとって、海鈴。]


この、手帳には、私との思い出がたくさん書いてあった。



そして、1年後の4月6日。


私は施設に入れられたそうだ。