仲良くなりたいからって美帆様って呼ぶ必要ないよね。


きゃーきゃー騒ぐ必要もないよ。




「仲良く…ね。」




沙奈はそう呟いた。



きっと私にしか聞こえなかっただろう。沙奈が言いたいことがなんとなくわかった。





「仲良くなりたいって素直に口に出してたら、友達でいられたかもね。

案外、素直な性格してるから。」





私がそう言うと女たちは、ハッとした顔をして沙奈の方を向いた。





「ほんとうにごめん。
美帆様は私たちにとって憧れだったからとられた気がして嫌だったの。

これまでのこと…怒ってる?よね。」




沙奈に向かって深くアタマを下げている。人ってこんな簡単に変わるんだ…




沙奈はそんな女たちに一言、



「別に。」



といった。





謝られて照れてんのかな??



女たちが私の方をいきなり向いて、さっきと同じように頭をガバッと下げた。






「態度…変えすぎだよね…。

前はいじめててごめんなさい。
ほんとうに反省しているの…。」




反省していることくらい、分かるよ。



そうじゃないと「憧れ」だなんて言えないから。


私が黙って聞いていると、話を進めた。





「星闇になったとき、私たち生徒を守ってくれてた。その姿がすごくかっこよくて、勇敢で。

なんで今までいじめてきたんだろうって思った。

親にすがらないで生きていける強い人なのに。

私は……。



ごめんなさい。」