何とか一通り手当し終わった私は、あまりの出来栄えに思わず笑みをこぼす。
初めてにしては………上出来じゃない!?
なんて内心ホワホワとしていたら、金髪さんが体を軽く動かしながら
「へー、お前…手当うまいな!さんきゅ!」
ニカッと笑いながら、そう言った。
口元から覗く八重歯に、何故かドキリと胸が高鳴る。
少しぎこちなく椅子を立った金髪さんは、肩の骨をポキポキと鳴らしながら出口へ向かうと
「ぁ、そーそー!お前、名前は?」
クルッと私の方に顔を向けながら、そう呟く。
「ぇ!?ぁ………相田、穂乃です」
当然の問に動揺しながら答えた私に、「相田さんね!」と繰り返すと
「手当サンキューなー!」
と言いながら、保健室を出て行った。