「ところで、茉弘は何でこんな時間にあんな所にいたんですか?
"煌龍"を知ってるんなら、この辺りがどんな所か知ってるでしょ?
暴走族や不良グループの溜まり場なんかに来て、犯されたって文句は言えないよ?」
恭は屈んだまま、真面目な顔であたしの顔を覗き込む。
確かに彼の言う通り。
でもさ……
「この時間じゃなきゃ、会えないと思ったから……。」
「え?誰にです?」
あたしは、目の前の男を指差す。
「俺?」
そうよ。
「あたしはあなたに会いに来たの。」
恭は、まだどういうことか全く理解出来ていないという顔で、きょとんとあたしを見つめていた。