見えないよ。
全然。
正直ガッカリだよ。
まさかあたしが求めてた重要人物が、こんな優男だったなんて。
あたしの頭の中はプチパニックよ。
彼はまたふっと笑い、
「これでよし!」
と言ってあたしに向き直る。
「俺は、"煌龍"初代総長、栗山 恭。17。
恭って呼んで下さい。」
彼はあたしに右手を差し出す。
「……あたしは、秋月 茉弘。16。……茉弘でいいよ。」
あたしも右手を差し出し、彼の手を取る。
仕方ない。
ちょっと予定とは違うけどさ、やってみるよ。
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