彼が嬉しそうにそう言うから、思わず恥ずかしくなって俯く。
「笑うぐらいしますよ。」
「あはは!そりゃそうですね!
でも、やっと笑いました。」
うるさいな。
何でそんな無防備な顔で笑うわけ?
こっちはあんたに会うために、必死でここまで来たんだっつーの。
気張ってるんだから、笑ってられなかったのよ。
でも、あんたときたら、何その顔。
さっきからヘラヘラヘラヘラ。
気に食わない。
「あなた本当に"煌龍"の総長なの?」
あたしの傷を不器用に消毒しながら、彼はちらりとあたしを見る。
「見えない?」
彼は処置する手を止めずに、聞き返す。