学校の花壇には彼の好きだった
     黄色いチューリップが咲いている。

彼の委員会が栽培委員だったので、
     毎朝二人で水遣りをしていたのだ。

「大きくなってね。チューリップさん」

植物に話しかけると、彼と一緒にいる感覚になってしまう。

未練がましい、と言われたら自分でもそうだと思う。