「あー…雨降ってきたよー…」
天気予報では晴れになっていた空が帰りのホームルームの時にバケツをひっくり返したような激しい雨を降らせ始めた。

「折りたたみ傘持ってきててよかったー」
そういう花音に
「やっぱ花音は女子力高いなー」
なんて笑いながらも、傘を持ってきていない私の内心はこの雨の中を帰らないといけないのか…と憂鬱になっている。

(お母さんなんで今日に限って出勤なのー…)

お母さんに迎えに来てもらうということもできず、とぼとぼと下駄箱に向かう

「遥!」

ふと背後から走ってくる足音とともに私を呼ぶ声がした

「?」

何だろうと振り返るとそこには傘を私に差し出して、少し息切れしてる空斗がいた。

「今日登校するとき持ってなかったから、俺の置き傘」