「ひかる、話がある」

今ではもう、何歳の頃か忘れた記憶。

「なに?たいちくん」

毎日のように遊んでいた彼女のことは、名前しかしらない。

「俺さ、転校する事になった。」

うるさいほど耳に残るセミの声。

「え?!…いつ?」

いつもの輝かしい笑顔が突然ふっと消えた。

「明後日。明日さ、13時に俺たちの秘密基地にきてよ。」

ここのシーンだけいつも鮮明だ。

ふっと違和感を感じここが夢だと悟る。