「こっちこっち!!」




右隣を見ると、美羽と同じくらいの男の子がベランダに出て、こっちを見て笑っていた




「だあれ?」




いきなり登場してきた男の子を見て
美羽は不思議そうに尋ねた






「おまえ、きょうひっこしてきたヤツだろ!おれはとなりにすんでる“さくらぎけいと”!おまえは!?」





「みつはしみう……」



元気よく話しかけてくる慧人に少し気後れしながらも、美羽は小さな声で言った





「みゅー?へんななまえだな」

「“みゅー”じゃなくてみう!」

「?」






大きな声で名前を教えたが、慧人は聞き取れなかったのか、“みゅー”と呼んできた





「わかったわかった。“みゅー”、なんさいなの?」


「………4さい」





美羽だってば!…と心の中では思いながらも、名前の間違いを言うのを諦めて慧人の質問に答えた