「空真先輩」
不意に、声をかけてきたのは藍那の後輩であり藍那が唯一信頼している友達の子だった。何度か、藍那の紹介や藍那を通して話したから面識がないわけではなかった。
「どうかしたのか?」
「藍那から、メールが来たんです」
「え?」
藍那からのメールを読ませてもらう。
そこには、もう藍那がこの世界にいないことを教える言葉ばかりが詰め込まれていた。
この子は、藍那が最後に会った子。
話をしていたらしいけど、藍那は戻る気はないと話した。
彼女の話を聞くと、昨日の夜。
手紙を受け継いだらしい。
≪さよならを告げてしまえば、行けなくなっちゃうから。確かに、根も葉もない噂は耐えなかった。けど、それでも言う人たちは何もしてこなかったから、それだけでいいんだ。
未練も、やり残したことも、たくさんあるけど、やっぱりこの場所に私はいちゃいけないことを感じてしまったから。
だから、ここから去るの。
育ててくれた祖父母も、
話を聞いてくれた先生たちも、
私を好きになってくれた人も、
友達と言ってくれた人も、
今も私を愛してくれてる人も、
傍で支えてくれた人も、
全部が全部、私の宝物なの。道を踏み外しても、それでもまた戻してくれた。そんな大切な人たちにこれ以上迷惑をかけられない。だから、この場所を去らなきゃいけない。誰もわかってくれないことはわかってる。それでもね、いつかわかってくれることを信じているから。
安心して、消えることができる。
最後に何も言えないのは辛いけど、この事はちゃんと伝わることがわかってる。
二度と会うことはないけれど、それでも私は宝物である人たちの支えになれたら嬉しいから。隣にいることが支えじゃない。
それを教えてくれたのは、紛れも無い空真のおかげだから。
彼を傷つけてしまうこと、
彼を手放してしまうこと、
彼に辛い思いをさせること、
彼が私に教えてくれたこと、
一番お礼を言わなきゃいけない。
それを伝えることができないから、何かを通して伝わることを信じてる。
伝わらなくても、きっと空真ならわかってくれることを信じてる。
ありがとう。
違う形で逢えたなら、もっと違う人生や世界を見ることができたのかもしれないね。≫
不意に、声をかけてきたのは藍那の後輩であり藍那が唯一信頼している友達の子だった。何度か、藍那の紹介や藍那を通して話したから面識がないわけではなかった。
「どうかしたのか?」
「藍那から、メールが来たんです」
「え?」
藍那からのメールを読ませてもらう。
そこには、もう藍那がこの世界にいないことを教える言葉ばかりが詰め込まれていた。
この子は、藍那が最後に会った子。
話をしていたらしいけど、藍那は戻る気はないと話した。
彼女の話を聞くと、昨日の夜。
手紙を受け継いだらしい。
≪さよならを告げてしまえば、行けなくなっちゃうから。確かに、根も葉もない噂は耐えなかった。けど、それでも言う人たちは何もしてこなかったから、それだけでいいんだ。
未練も、やり残したことも、たくさんあるけど、やっぱりこの場所に私はいちゃいけないことを感じてしまったから。
だから、ここから去るの。
育ててくれた祖父母も、
話を聞いてくれた先生たちも、
私を好きになってくれた人も、
友達と言ってくれた人も、
今も私を愛してくれてる人も、
傍で支えてくれた人も、
全部が全部、私の宝物なの。道を踏み外しても、それでもまた戻してくれた。そんな大切な人たちにこれ以上迷惑をかけられない。だから、この場所を去らなきゃいけない。誰もわかってくれないことはわかってる。それでもね、いつかわかってくれることを信じているから。
安心して、消えることができる。
最後に何も言えないのは辛いけど、この事はちゃんと伝わることがわかってる。
二度と会うことはないけれど、それでも私は宝物である人たちの支えになれたら嬉しいから。隣にいることが支えじゃない。
それを教えてくれたのは、紛れも無い空真のおかげだから。
彼を傷つけてしまうこと、
彼を手放してしまうこと、
彼に辛い思いをさせること、
彼が私に教えてくれたこと、
一番お礼を言わなきゃいけない。
それを伝えることができないから、何かを通して伝わることを信じてる。
伝わらなくても、きっと空真ならわかってくれることを信じてる。
ありがとう。
違う形で逢えたなら、もっと違う人生や世界を見ることができたのかもしれないね。≫