その日。
彼女はいつも通りの生活を送っていた。
けれど、彼女を恨む同性はたくさんいたから彼女は周りからいろいろ言われていた。
根も葉もない噂を掻き立てられ、男遊びが激しいと言われていた。

確かに、彼女はあまり男がいない時が少なかった。けれど、決してそれは意図的なものではない。彼女の周りの人や、彼女自身を受け入れようもしなかったからだ。

けれど、その日は彼女に対して何かと言ってくる女子たちが目立った。
「いつもヘラヘラしていて男からの注目を浴びたいの?」
「男が寄ってくるのはちょっと顔がいいからのくせに」
「いい子ぶって、何様のつもり?」
「頭も悪くて運動もできずに迷惑かけてるのに」
「存在自体が邪魔なんだよ」

彼女の目の前で言っていた。
けれど、彼女は文句を言うわけでもなく笑顔で「ごめんね」と言ってその場を去った。
それから、中傷的な言葉は彼女に向かって止むことはなかった。
俺が声を掛けると、彼女は笑顔で言った。
「大丈夫だよ。私は平気だから」
先生に話したらどうかって聞けば彼女はまたしても笑顔を崩さず「言わないで。こんな些細なことに先生の出る幕はないから。このくらい、自分の力でなんとかして見せる」
そう言った。

俺は、心から強いなって思った。
それから、俺は普通に1日を過ごした。