「ね、しょうたくん、どの辺りでお父さんとはぐれたのかわかる?」
「ん…げんかんのとこ」
玄関…ってことは校舎の入口か。
あそこらへんって結構込み合ってたもんね。
まだ小さい子だし、迷子にもなるよ。
「じゃあ…とりあえずお父さん探しに行こっか」
差し出した手を小さな手でキュッと握られて、ちょっとだけキュンとした。
可愛い…もし、もしもしょうたくんのお父さんが私が思い浮かべている人だったとしたら…
いや、今は探すのが先だ。
だいぶ人が減った生徒玄関について辺りを見渡すけれど、しょうたくんは首を振るだけ。
先に校内に入るってことはないと思うんだけれどな…