頭の中に浮かぶ“優勝”がいまいちパッと来なくて、手当たり次第に歩いていると
「うっわぁっ…!?」
突然、後ろから腰の辺りに衝撃が飛び込んできた。
な、なに!?
「うぅ………」
やけにガッシリと掴まれているせいで頭しかよじることができない。
背が小さい…とりあえず、男の子…かな。
「あの…?」
「とう…ちゃ…っ」
え…?あ、迷子か。
って、私まさかお父さんと間違えられたの?
それはちょっとショックだな…でも私スーツだし、ありえるといえばありえるか。
「大丈夫?えーっと…迷子、だよね。どこではぐれたのかわかる?」
うう…私本当に子供に対するスキルがないな。
こんな時深影や風香なら上手くやるんだろうけれど。