「はいはい、鏡華はあっち。目指せ優勝!」
「う、うん!風香も頑張って!」
激励を背中に受けて、風香と別れる。
チラチラと風香の背中を見ていたけれど、すぐに人波に消えていった。
とりあえず大きなアーチがかかった校門の方に向かう。
ガヤガヤと騒がしい中を歩きながら、ふっと息を吐く。
…この町にはだいぶ慣れたけれど…話し方は苦手なんだよね。
深影はしばらくしたら慣れるとか、すぐにつられるとか言ってたけれど、そんなことなかった。
標準語に近い、関西弁とは少し違う、そんな感じ。
深影達のは聞き取れるんだよ、聞き取れるんだけれど…おばあちゃん達のは苦手。
滑舌というか、話し方自体が聞き取りにくい。
町に若い人が少ないこともあって、今日来ているのも子供達やおばあちゃん、おじいちゃんばかり。
こうなるって予想してたから調理班がいいって言ったのに。
まさか工藤くんに追い出されるとは思わなかった。