とにかく、教室で頑張ってくれてる女装男子と、工藤くんと深影を含む調理班のためにも、私達はできることをやらないと。
プラカードみたいな看板を持って、教室を出る。
廊下に溢れる騒音が、文化祭の盛り上がりを物語ってる。
「人多っ!やっぱ今年は1日だけやけんかな」
「そうかもね。いつもは2日間なんでしょ?」
「そうよ!何で今年に限ってこうなんかな…ほんっと嫌やわ」
人波を掻い潜っている間もブツブツと文句を言う風香。
文化祭は2日間で行われる予定だったのだけれど、なぜか1日に詰め込む形になってしまった。
そのおかげ…というかそのせいでこの盛況。
例の優勝争いも白熱したものになるんだろうなと思うと、楽しみだけれど少し気が重い。