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湊夜、嶺汰、琉斗くん、戒斗くん、悠さんへ

この前は驚かせてしまってごめんね。
私は、翠月姫です。

正体を知られた以上、
私が狙われる可能性が高くなるのは
みんななら分かると思う。

私のせいで皆に迷惑がかかるなんて
そんなの嫌なの。だから離れます。

みんなとはもう、2度と会うことはない。

でも最後に言っておくね。

私は、みんなが大好きだし
みんなと過ごした時間が宝物です。

今までありがとね。
私の“家”になってくれた。

さよなら


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「どうだ?これは確実に深紗の字だろ」


「あぁ…そうだな…」


「にしても馬鹿だよなぁ…女一人くらい守れるっつの」


はぁ、とため息をついて
嶺汰は“下で待ってる”と小さく呟いた


俺は何気なく読んだ便箋を裏返した
すると そこには“P.S.”と書かれた文


「…!!」


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P.S.
湊夜。大好きだよ。
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好きなら、離れんなよ…


俺は堪えきれずに立ち上がると
階段を駆け下りた


「お、きたきた」


「おまえ、ら…ありがとな」