side深紗
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目の前でみんなが袋叩きにされている
「やめ‥‥て‥‥」
全てがフラッシュバックした
あの時と同じ事を 繰り返すの‥‥?
私はまた 仲間を失うの‥‥?
目をギュッと瞑ると
すぐに血の海が瞼の裏に映し出される
瞬間 私は底知れない怒りに満ちた
「許さない‥‥絶対に‥‥」
「深‥‥紗‥‥?」
苦しげに名を呼ぶ湊夜
その場の全員がこちらを向く
私は静かに俯いたまま 静かに口を開いた
「お前ら‥‥生きて帰れると思うなよ」
「フッ‥‥女1人で何が出来る?笑わせんな」
「黙れ雑魚が」
そう吐き捨てると
その男は顔を赤くして殴りかかって来た
「深紗危ない‥‥!!」
嶺汰が叫んだ
他の皆が全員目を逸らした‥‥が
聞こえて来たのは予想に反する声だった
「貧弱だな‥‥それでも男?」
「ハァハァ‥‥ックソ」
「嘘‥‥だろ‥‥」
倒れているのは私ではなく男
その状況を 皆は上手く読めていない
顔をあげると困惑した表情が見えた
「湊夜‥‥ごめんね」
小さくそう呟くと
私は“ハルト”と名乗る男を睨み付けた