海岸沿いの倉庫に着くと
待ってましたと言わんばかりに
奴らが待ち構えていた
「ここは下の奴らと俺らでどうにかする!!お前は行け!!」
「わかった」
俺は琉斗と戒斗にその場を任せて
後の奴らと先へ向かう
中に入ると そこは不気味なくらい静かだった
「どこだ!?深紗!!」
俺らは見回しながら探す
奥に電気の光が見えた
「…」
俺らは静かにそこへ近づく
その時 背後に人の気配を感じた
「勝手に人の拠点に入ってくるとは失礼な奴だな」
「…誰だ」
「名乗る必要なんて無いだろ…雑魚が。」
振り向くとそこには2人の男が立っていた
ガタイの良い男と女みたいに細い男
俺はフッと鼻で笑った
「何が面白い?」
「いや…。俺らは深紗を助けにきただけだ。お前らに用は無い」
俺と悠、嶺汰は2人に殴りかかる
余裕だと思っていた…だが、違った
「くっ…」
「おいおい、まさかこれで終わりか?」
「クソッ…」
手強い2人相手に俺らは手出しができなかった
深紗を…助けなきゃいけないのに。
“カツカツ…”
その時 足音が聞こえた
「ハルト。こいつら弱過ぎて相手にならねぇよ」
「ハハッ…派手にやったな」
咄嗟に振り向く
するとそこには男と…深紗がいた
「みんな…ッ!!」
「深…紗…!!」
怪我はしていない様で俺は一瞬ホッとした
背後から大勢の人の気配を感じた
まさか…!!
「嘘だろ…ックソ」
置いてきた琉斗と戒斗が傷だらけになって
捕らえられていた
「これでお姫様を助けに来たとは…笑えるな」
「深紗を離せ…!!」
「黙れ」
俺は力を振り絞って立ち上がる
「深紗を…離せって言ってんだよ」
「そんな体のお前に何が出来る?」
クスクスと笑うのを無視して
俺は殴り掛かる
だが簡単に交わされて
俺は地面に倒れ込んだ
「…やれ。」
俺らは一斉に殴られる
その時 深紗が静かに呟いた
「許さない…絶対に」
「深…紗…?」
その場にいる全員が深紗の方を向く
目に映ったのは
見た事が無い 怒りに満ちた深紗だった