咄嗟に車を追い掛けて
走り出そうとする

それを悠が阻んだ



「落ち着け」


「‥‥どけよ」


「今追い掛けても無意味だ」


「うるせぇ‥‥」


悠を押し退けて進もうとする
すると嶺汰が静かに俺の前まで出てきた


“ガッ…”


「…ってぇ」


一瞬 何が起こったか理解出来なかった
…が、すぐに“殴られた”という事に気付いた


「お前馬鹿かよ」


「んだとテメェ」


「本気で深紗護りたいならもっと冷静になれよ!!」


俺は初めて声を荒らげた嶺汰を見て
抵抗を止めた


「俺らだって深紗の事心配なんだよ。余計な心配掛けんな」


「悪ぃ…」