ーーーーそれから私は

毎日楽しくて笑顔が絶えない
幸せな時間が続いていた


湊夜と出会って1か月が経とうとした頃

そんな幸せを奪う様に
‥‥遂に奴らが 動きを見せた



「湊夜、見ろよこれ」


「貸せ」


それは突然
皆で夜ご飯を食べている時の事

いつにも増して深刻な声色で
悠さんが湊夜を呼ぶ

湊夜はパソコンを奪い取ると
一瞬 目を見開いた


「‥‥奴らか?」


「あぁ。十中八九、間違い無い。」


「‥‥そうか」


ただならぬ状況を察した皆は
食事を止めて 湊夜に駆け寄る

“奴ら”

それは間違いなくあの男達の事

私はその輪の中に入ろうと試みる
‥‥が、琉斗くんに行く手を阻まれた


「深紗は心配しなくていい。飯食ってろ」


「でも‥‥!!」


「俺達だけで十分だから」


違う。
奴らはそんなに甘くない。

それを痛い程知っているのは
他でもない 私自身だった


悔しくて唇を噛むと
口の中に鉄の味が広がった