しばらく経つと
焦った様子で深紗は階段を降りてきた
俺と同じ学校の制服
いつもと違うメイク
ドキッと胸が鳴る
「…ほら行くぞ」
気恥ずかしくなった俺は
深紗に背を向けて外へ向かった
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
__2人並んで、道を歩く
何を話していいか分からずに
深紗は気まずそうにしている
「なぁ…家には帰らなくて平気なのか?」
何気なく浮かんだ疑問を投げ掛ける
「私、親いないからさ」
「…悪ぃ」
「気にしてないからっ」
そう言って深紗は少し辛そうに笑った
きっと今までもこうやって
自分に嘘をついて、笑って
生きてきたんだろう
「深紗」
俺は無意識のうちに深紗を抱き締めていた
「ど…したの、湊夜…?」
「俺は…傍に居るから、俺が深紗を、護るから」
「湊夜…」
腕の中で俺の名前を呼ぶ深紗
俺が 命を掛けてでも護りたいと思う
大事なモン
絶対誰にも傷付けさせない
俺が 絶対に護ってみせる