side深紗

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暗闇に光る無数のライト
照らされる男

少し離れた所にいる私は
声も出せず ただ見ている事しか出来ない



『くそ‥‥ッ』

『お前さえいなければ‥‥ッ!!』



何人かに袋叩きにされる男
その手はきつく握り締めたまま

決して攻撃をしようとは しなかった


『もう降参か?‥‥手も出せないなんてな‥‥ッ』


振り下ろされた鉄パイプは
大きな音を立てて 男の頭に直撃した



‥‥世界がスローモーションに見える

次の瞬間 私の目の前に広がる血溜まり



『ぃゃ‥‥ゃめて‥‥やめてぇぇぇえ‥‥ッ!!』


「__深紗、‥‥‥深紗!!」



「はぁ‥‥ッはぁ‥‥‥」


次に映ったのは 白い天井と
一人の男の顔


「うなされてたから‥‥嫌な夢でも見てたのか?」


「‥‥ッ、平気‥‥ごめん、」


荒い呼吸をなんとか静めようと
深呼吸を繰り返す


‥‥もう何度目だろう
こんな夢‥‥いや。あの日の事を思い出すのは。


もう1年も経つというのに。