咄嗟に顔を背けると
湊夜は不思議そうに首を傾げていた
「てか深紗、早速明日テストだからな」
「あ、あ、明日!?そんな、急すぎるよ!」
もうしばらくテストというものを受けていない私
このままテストに臨んだら
‥‥先に待ってる未来くらい 私にも察しがつく
「早いも遅いも、もう校長に連絡して決まったからどーにもなんねーよ?」
「‥‥」
冷や汗をかく私を見て 湊夜がお腹を抱えて笑い出した
‥‥さっきドキッとしてしまった自分を殴りたい
「そもそも何でそんなに早く決定出来るのよ!!」
「あーそれはね、」
「ん…?」
ニコニコしている嶺汰は“実は‥‥”と言って
私の耳に口を寄せた
「湊夜の親父が校長だからだよ、深紗っ」
「え、湊夜のお父さんが!?」
驚きと共に湊夜の顔を見ると
頭を掻きながら 苦い顔をしていた
「余計な事言うなよ、嶺汰」
そう言うと嶺汰は全く反省の色を見せずに
“ごめんごめん”なんて返事をしてみせた
「じゃあ、湊夜はお坊っちゃんなんだ?」
「まぁ‥‥親父とは殆ど口聞かないし、関係ねぇけど」
湊夜は溜息を吐く
「そうなんだ‥‥仲、悪いの?」
控え目に訪ねると
私の頭をくしゃっと撫でた
「こんな話やめよーぜ?ほら、もう寝るぞ」
「ひゃっ!?」
「ちゃんと捕まってろよ」
再び抱き上げると
私を抱えたまま階段を登り始める
「湊夜、お、降ろして!!」
「うるさーい。大人しくしてな?」
“落とすぞ”なんて小さな脅しまでされた私は
仕方なく抵抗をやめて大人しくする事にした
ベッドに寝かせられる
すると何故か隣に湊夜も入ってきた